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How Long / MICHAEL THOMPSON BAND
火薬バカ一代 ★★★ (2025-09-02 01:02:09)
スタジオ・ミュージシャンとして引っ張りだこ、マイケル・ジャクソンやセリーヌ・ディオンといったビッグネームとの仕事を通じて確固たる地位を築き上げてきたマイケル・トンプソン(G)と、同じくセッション畑で活躍していたリチャード“ムーン”カルホーン(Vo)が中心となり結成されたMICHAEL THOMPSON BANDが、パット・トーピー、テリー・ボジオ、ボビー・キンボール、ジョン・エレファンテetc…といった多彩なゲストを招いてレコーディングを行い、'89年に発表した1stアルバム。
ソフティケイトされたプロダクションに、落ち着いたテンポで奏でられる楽曲と、音楽的には完全にAOR/産業ロック路線。ゴリゴリにヘヴィ・メタリックなサウンドを期待するとやや大人し過ぎるように感じられるやもですが、一方でバカテク全開で弾き倒すような真似はせずとも一音一音に「気」の込められたマイケルのGプレイは、AORというジャンルからはだいぶはみ出す強めの存在感を放っています(THE GUNやBAKER GURVITZ ARMYといったHRバンドで活動しながら、80年代にAORシーンに転身を遂げたエイドリアン・ガーヴィッツのソロ作にも似たような感想を持った覚えあり)。
とりわけ、仄かにブルージーな味わいも漂わすリラックスした作風が王道AORを思わせつつ、たっぷりと尺を取ったエモーション迸るGソロにおいて一気に熱量が上がる②と、泣きの入ったリチャードのハイトーンVoが映える哀愁を帯びた曲調に胸を締め付けられる④は、その好例というべき名曲じゃないでしょうか。
マイケル・トンプソンのソロ・アルバムにハズレはありませんねぇ。

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