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Scorched / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★★ (2025-02-28 00:39:47)
信頼と実績の叩き上げスラッシュ・メタル・バンド、OVERKILLが'23年に発表した20枚目のフル・アルバム。テキトーな片付けが災いして購入直後からCDの中身が家庭内行方不明になっていたのですが、先日掃除中に運良く発見(ACID REIGNの『THE FEAR』のケースの中に入っていましたよ)、こうしてようやく感想文を書くことが出来た次第で。
ブリッツの強靭なシャウトからD.D.ヴァーニの鉄球を転がすようなBランまで、衰えとは無縁のメンバーのパフォーマンスと楽曲構築術に支えられたサウンドは、微塵も揺らぐことなくOVERKILL流パワー/スラッシュ・メタル街道を爆進。ツインGの印象的なハモリが要所に散りばめられた本編は全体的にパワーメタル・テイストが優勢な仕上がりで、その風格たるや、バキバキに鍛え上げられた腹筋と俊敏なフットワーク、鋼の拳を武器に、切れ味鋭いジャブ&破壊力抜群のボディを巧みに使い分けてK.O.の山を築くベテラン・ボクサーの如し。そういう意味ではフィニッシュ・ブローに該当する「キメ曲」が見当たらない点に若干の物足りなさが無きにしも非ずなんですが、とはいえパワー全開の疾走ナンバーから、ディオ時代のBLACK SABBATHを思わすヘヴィ・チューン、アッパーに炸裂するパンク・メタル・ソングまで、個々の楽曲の強力さに支えられ最終ラウンドまでダレ場なし。特に劇的なイントロで掴みはOKな①、その勢いを引き継いで畳み込む②、ブリッツお得意のハイテンションVoが映える③、そして雄々しく猛進する④…と、息つく暇なく連打を浴びせてくるアルバム序盤にはぐうの音も出ないほど打ちのめされてしまいますよ。
OVERKILLに対する信頼が、また一段と増したことを実感させてくれる力作。
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