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Wild August / WILD AUGUST
失恋船長 ★★★ (2025-02-11 21:36:52)
ギタリストがダン・マカファティと嘘みたいな同姓同名の人物がいることがインパクト大ですね。まぁシンガーじゃなくて良かったですよ。アメリカの正調ハードサウンド。時代は1989年、グラム系の匂いを発散しつつも、根底にあるのは生真面目さ、そのメロディアスかつグラマラスなサウンドは、シーンを覆すようなインパクトはないが、好きモノにはたまらない懐かしさがあり、一気に80年代へと誘ってくれる。

この歌い手も懐かしい空気を運ぶのに一役も二役も買っているのだが、当時は正式にデビューが叶わなかった彼らが2006年に世に出るとはありがたい限りですねぇ。この2006年というのがシーンのターニングポイントだった。日本ではアメリカのトレンドを追いかけろと必死だった時代に、逆に欧米では往年のサウンドを見直す時代が訪れた、レコード会社の中でも権限のあるモノ達が、若い頃に影響を受けたバンドに手の差し伸べる姿は頼もしい限りだった。個人的には、世間から馬鹿にされようが、今日までズッと脇見もせず、THE80年代を求め愛していた。それだけにホッコリとさせられるのだが、果たして若い人の耳に刺激的に聞こえるかと言われると厳しい。

再放送の吉本新喜劇をみたいな、変らない普遍性を愛でることが出来るかが鍵だ。もっと言えば他にも聴かなければいけないバンドはごまんとある。懐メロにも程があるのだが、世に出られなかった彼らの作品に意義を見出せるマニアはけして少なくないと思いますね。
グラム系サウンドをメロディアスに膨らませ、そこにメタルフレーバーを振りかける豪快さ、けしてキラキラキーボードで装飾されていない剥き出しのロックは、過度のプロデュースを受けていないので好感が持てる。

あの時代のアメリカが好きな人にはチョイと勧めたいですね。

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