80年代にイタリアで活動していたバンドのコンピ作。レコーディングするも世に出なかったマテリアルをまとめたので、シンガーが二人存在している。バンド名は英訳するとKing of Hellということでブラッケンドなヤツか、スラッシュメタルなのかなぁと思いきや、メロディアスさを上手く混ぜ込み、NWOBHM仕込みのスピードメタルを披露。
正直、上手い下手で言えば微妙なのだが、まぁ正式音源ではないので間引いて聴いて欲しい。メタルに対する忠誠心と純粋な気持ちをぶつけたサウンドには嘘偽りがない、それは上手い下手を超越した概念である。

日頃雑誌に紹介されいるメジャー音源が主食の方にはイチミリも勧めたくない一品であるが、筋金入のマニアならば耐性も出来ているであろう。この甘いメロディと厳つさはアラン・マーシュ時代のTOKYO BLADEなんかを何気なく思い出させてくれる面もあり、シンガーの交代は音楽性の変遷にも繋がったりと、群雄割拠ひしめくローカルシーンでしのぎを削る彼らの姿が目に浮かぶような熱いピュアサウンドがここにあります。

この手の音源を聴くと日本のインディーズシーンなんかにも通ずるものがあるんですよね。懐かしいわ。それにしてもAIの認知機能と学習力には恐れ入る、これを本日のオススメで紹介してくれるのだから驚きだ。この手の音源に3000円以上の価値を見出せないので、とてもではないがCDなんて買えないのだが、配信サービスには感謝しかない。でもマイナー過ぎるぞ。

世界にはまだ見ぬマイナーメタルが唸るほどある、それらと遭遇する楽しみは何者にも代えがたき喜びだ。

失恋船長 ★★★ (2025-02-13 04:14:02)